私たちはなぜ寄付サービスではなく、Dev Protocolを作るのか

Mayumi
所要時間, 1分

こんにちは、Dev Protocol チームです。
私たちはすべてのイノベーターが評価され、持続的に挑戦できる世界を目指して、2018 年から開発を続けています。

Dev Protocol とは、

  • イーサリアム上に構築された分散型プロトコル
  • クリエイターのアセットをトークン化して、持続可能に変える
  • クリエイターの収益化およびコミュニティ全員に還元できる

といった主な機能を持つ、オープンソースのミドルウェアプロトコルです。

これは、オープンソースやオープンアクセス、クリエイティブコモンズなど、インターネット上に公開されているアセットを収益化することが出来るテクノロジーです。

現在は、GitHub レポジトリの収益化に対応しており、世界中のOSS開発者が資金調達に成功しています。

Dev Protocol を使った公式アプリケーション(Dapp) Stakes.social
Dev Protocol を使った公式アプリケーション(Dapp) Stakes.social

オープンなアセットの収益化という課題

オープンなアセットを作るクリエイターにとって、これまで収益化手段がなかったわけではありません。

例えば、

  • 動画配信における広告収入(YouTube)
  • ブログプラットフォームにおけるコンテンツ販売や投げ銭(note, zenn)
  • グッズ制作販売サービス(SUZURI, BOOTH)
  • クラウドファンディング(READYFOR, CAMPFIRE)
  • 寄付サービス(Patreon, GitHub Sponsors)

など、

日本でも様々なクリエイター支援サービスが展開されていて、いずれも気軽に始めることが出来ます。それでもなぜ、私たちがそのような Web サービスでははく、分散型プロトコルをつくったかには大きな理由があります。

無料のアセットに対価を払う手段がなかった

それは、これらのサービスでは、サポーターはサービス上で提供される「コンテンツ」や「グッズ」を通じてお金を払ったり、広告価値に貢献しているのであり、クリエイターの日々の活動そのものが収益化されているのではありません。(活動こそが、クリエイター最大の価値提供でありながら)

また、OSSなどのインターネット上に無料で公開されているアセットは、お金を支払わなくても誰でも使うことが出来るため、さまざまな収益化手段が存在しながらも、83%以上のプロジェクトが 1 年以内に終了してしまう (参照)という持続可能性の危機に陥っています。

オープンなアセットはなぜ無料なのか?

OSSやオープンアクセス、クリエイティブコモンズなどのアセットを1度でも利用したことがある方に質問したいことがあります。『それらのアセットは、商品としての経済的価値がないから無料で使えるのでしょうか?』

アセットをクローズドにすることで、収益化はより簡単になります。それでも、なぜクリエイターはアセットをオープンにしているのでしょうか?その答えは、OSSの世界で起きていることを見れば明らかです。
オープンであるから世界中のユーザーがコラボレーションに参加して、イノベーションが生まれているのです。

無料アセットにも資金が循環する、オープンな経済プロトコル

ここまでをまとめると、

  • クリエイターのアセットそのものを収益化すること
  • 無料のアセットに対価を払えること
  • クリエイターが創作を持続できること
  • サポーターが支援を持続できること

これらが、Dev Protocol をつくる上で達成すべき要件となりました。

そして、これまでの経済システムでは、クローズドな商品の売買をベースとした取引がベースになっていること。すでに急拡大を始めているオープンなアセットの潜在的な市場価値を正しく評価するためには、オープンな経済システム、つまり新たなプロトコルを作る必要があるという結論にいたりました。

Open Assetの経済を作り、既存経済を塗り変える
Open Assetの経済を作り、既存経済を塗り変える

新しく、持続可能なインセンティブモデル

Dev Protocolは、クリエイターのために設計されたまったく新しいエコシステムです。クリエイターは公開したアセットをトークン化して、プロジェクトを成長させるためのさまざまな素晴らしい機能を使うことが出来ます。

Dev Protocolのスキーム概要
Dev Protocolのスキーム概要

Dev Protocolは、クリエイターとスポンサーの両方に大きな変化をもたらします。
DEVトークンを通じてクリエイターを支援すると、クリエイターとスポンサーの両方にDEVトークンが増えていきます。言い換えると、「クリエイターにもスポンサーにも、両者にインセンティブがある」という構造です。

クリエイターを支援すると利益になる

これまでの寄付の場合、支援者から見れば「お金はなくなる」ため、寄付はあくまでも支援者の善意に委ねられており、寄付の継続を期待することは難しいものでした。DEVトークンで支援する場合は、支援している間に応じて新たにDEVトークンが増えていきます。そのため、支援を継続するインセンティブがあります。

※ 詳しくはホワイトペーパーのPolicyをご覧ください。

オーナーシップの共有と還元

Dev Protocol のもう一つの大きな特徴は、アセットをトークン化して 「株式会社」 のような機能を持たせることができることです。それが、OSSトークンです。

このOSSトークンが持つ機能は、

  • オーナーシップの証明、第三者との共有
  • スポンサーを受けると、OSSトークン保有者全員にDEVトークンが自動的に分配される
  • DEVトークンは、OSSトークンの保有割合に応じて15秒毎に増えていく

そして、このOSSトークンはERC20規格のため、分散型取引所などで売買することも可能です。これにより、オーナーだけではなく、貢献者から支援者まで、関わるメンバー全員にインセンティブを共有することができます。

分散型であること

Dev Protocol は分散型プロトコルのため、誰でもこのネットワークを活用して、持続可能なインセンティブモデルを搭載したアプリケーションを作ることができます。

そして、これらの一連の流れに管理者が介在することはなく、全てがブロックチェーン上でオープンかつリアルタイムで稼働しています。 クリエイターも支援者もコミュニティメンバーも、全てのユーザーに1ブロック(15秒ごと)にDEVトークンが増えていき、誰かが報酬を管理する必要はありません。

いずれも、クリエイターの方々が「つくること」に専念して、一切の余計な作業をする必要がなく、「つくること」が持続可能な世界に変えていくことが私たちDev Protocolチームの願いだからです。

FYI: より詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです
Dev がなぜ現金より暗号資産を選んだのか https://medium.com/devprtcl/why-crypto-assets-5ade5f44f148

これまでの実績とこれから

Dev Protocol は、メインネットローンチから 1 年が経ち、海外を中心にエコシステムは大きく成長を続けています。この INITTO ブログは始まったばかりですが、これから日本のクリエイターの方たちにも広く使っていただけるように発信していきます。🐇

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