Propertyトークンとはなんですか?それをどのように活用できますか?

Yusuke Ikeda
所要時間, 1分
初級

本記事では、DEV Protocolの重要な機能であるProperty Tokenとその将来的な応用についてご紹介します。

Propertyトークンとは? permalink

Propertyトークンとは、Dev Protocol を使って発行できるERC-20トークンで、プロジェクトのオーナーシップの証明、収益化、収益分配の全てをブロックチェーン上で自動化するものです。今回はPropertyトークンの基本的な機能の一つであるクリエーターへの収益分配にフォーカスし解説していきます。

今クリエーターであるアリスが自身のプロジェクトをProperty AとしてDEV Protocolに登録した場合を考えます。Property Aが登録されたとき、Property Aトークンが固定数量発行されます(ここでは簡単に100万枚発行されると仮定します)。発行された100万枚のトークンのうち95%はクリエーターであるアリスが受け取り、残りの5%はDEV Protocolの基金であるTreasuryに送られます。

ここであるステークユーザーがProperty Aに10,000 DEVをステークすることを考えましょう。APYおよそ50%と仮定すると、1年後にステークユーザーが受け取る報酬は10,000 DEV x 50% = 5,000 DEVとなります。ユーザーがステークすると、ユーザーのステーク報酬とほぼ同額の報酬がProperty Aトークンの保有者にも与えられます。Property Aトークンの保有割合に応じて、クリエータは報酬を受け取ります。現在の例では、アリスは95%のProperty Aトークンを保有しているので、アリスが受け取る報酬額はおよそ5,000 DEV x 95% = 4,750 DEVとなり、DEV Protocolの基金のTreasuryには残りの5%分の250 DEVの報酬が発生します。アリスが共同開発者であるボブに保有しているProperty Aトークンの半分をボブに譲渡することも可能です。この場合アリスとボブの間で発生した報酬4,750 DEVが折半されます。

Propertyトークンの機能をまとめると以下のようになります。

  • Propertyトークンの保有者にはクリエーターサイドに発生するステーキング報酬が払われる
  • Propertyトークンの総供給量に対する保有割合に応じてステーキング報酬が按分される
  • DEV Protocolの基金であるTreasuryはPropertyトークン総供給量の5%を保有している

活用事例:Propertyトークンの流通 permalink

現在PropertyトークンはクリエーターとTreasuryだけに保有されており、一般ユーザーがこれを取得する方法はありません。今回、Propertyトークンの活用事例として、これを市場に流通させ、一般ユーザーがPropertyトークンを取得できる状況を考えてみます。前のセクションで説明したようにTreasuryはPropertyトークン全体の5%を保有しています。このTreasuryが保有しているPropertyトークンをUniswapなどで流動性提供することを考えます。Treasuryが流動性提供することで、一般ユーザーはAMMを通じ、Propertyトークンを入手できるようになります。このようにTreasuryがPropertyトークンの流動性提供すると以下の利点があります。

  • TreasuryはPropertyトークンの流動性提供による報酬を得られる
  • 投資家はPropertyトークンを買い、Propertyトークンから発生するステーキング報酬を得られる
  • 流通しているPropertyトークンからインデックストークンを組成することができる

Propertyトークンを購入する投資家の立場に立つと、投資家はよりたくさんのステーキングを集める魅力的なプロジェクトのトークンを買い、通常のDEVによるステーキングよりも高い収益を獲得することができます。前のセクションで説明したように、Propertyトークンから発生する報酬はPropertyにステークされたステーク金額の合計に比例します。したがって投資家は、今後よりたくさんのステーキングを集めるであろう魅力的なプロジェクトのトークンに投資し、より高いステーキング報酬の獲得を目指します。

熱心な投資家は、Propertyごとの成長性を考慮し、収益性の高いPropertyに投資するでしょう。一方で一般的なユーザーには、個別のPropertyへの投資戦略を考えることなく、平均的な収益を得たいというニーズがあるでしょう。このようなニーズを満たすため、複数のPropertyから組成されるインデックスファンドとしてのトークンを発行することができます。複数のトークンのインデックスとしては、すでにDeFi Pulse Indexが成功しています。もしPropertyトークンがDEXで流通していれば、DeFi Pulse Indexと同様にProperty token Indexが作れるでしょう。Propertyトークンをインデックス化する場合、ステーキング額に応じて、各Propertyをランキングし、上位20個程度のPropertyを集めインデックスを組成することが考えられます。このようなインデックスがあれば、DEV Protocolのクリエーターエコノミーの成長性が、インデックという単一の指標で評価できるようになります。

結論 permalink

Propertyトークンを流通させることにより、ユーザーがDEV Protocolのエコノミーへアクセスすることはより簡単になります。またそれはユーザーにDEV Protocolエコノミーに投資するための多様な手段を与えます。Propertyトークンの活用がクリエーターエコノミーに実際どのような影響を与えるかはまだまだ未知な部分が多いため、今後もコミュニティ内で活発に議論されていくことが期待されます。

🌈 この記事はお役に立ちましたか?

今後より良いコンテンツをお届けしていくために、ぜひご質問やフィードバックなどいただけると幸いです🌱
フォーラムはこちら

- Dev Protocol は全てOSSとして公開しています。ぜひIssueやPRを送ってください📢 時にバウンティがあります。
Dev ProtocolのGitHubはこちら

- Dev Protocol の改善提案(DIP)プロセスも公開されています。ぜひコメントをお待ちしています🌟
DIPはこちら